■もっと頑張れ、哲平ちゃん・7日目■

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■7日目〜・START>
えっと…手を繋いでる訳じゃなくってよ?

皆様からの投票制&選択肢で分岐する「哲恭クエスト」
最終日までお付き合い下さって有難うございました♪

「今までのポイント」及び、「ふっかつのじゅもん」
計1万ポイント目標で『特効薬』の召還…。
目標値高すぎかな、と思ってたんですが
達成すんのめっちゃ早かったです(笑)
恭ちゃんも哲平ちゃんも愛されてるなあ…♪

という訳で、ラスト1万330ポイントにて、
無事、哲平ちゃん復活&恭ちゃん帰宅。

途中、色々な分岐ルートがございましたが、
おめでとう、こっちは正規【哲恭】ルート です。

……では、7日目の朝&EDをどうぞ。

■12/05>Lv.17
哲平ちゃん、ボーゼン中…

左手で手加減してます。

美人の苦笑


………………………………………………………。
………………………………………………。
………………………………。

…………どれくらい気を失ってたんやろ。


目を開けると、
見慣れたオレの部屋の天井が見えて……。


あれ?


妙に……。
片付いてるような…………え………?


ふわっと。
食欲をそそる…ええ匂いが…。


「あ、起きたか? 哲平」
「……………………………え?」
「おかゆ作ったけど。食べられるか?」
「……………………………え?」
「それとも、まだ寝てた方がいいか? 
でも何か口にしないと薬も飲めないし…起きられるか?」
「恭ちゃんっ!!!」
「うわっ!」

思わずがばっと跳ね起きて、
目の前の恭ちゃんをまじまじと見る。

「な、何だ…?」
「………ほ、本物……? 夢と違うやんな…?
 それとも、オレもう死んでしもた?」

ぽこ。

「バカな事言ってるんじゃない!」
「…………痛ったぁ……」

小突かれて、痛い事が嬉しい。
なあ、痛いって事はコレ現実やんな?

「起きられたって事は少しは元気になったみたいだな?
おかゆ食べるか?」
「貰う貰う! 
ここんとこ、ロクなモン食ってへんかってん!!」
「…みたいだな」

恭ちゃんが苦笑する。

■12/06>Lv.18
弱った胃腸に優しいおかゆさん。幸せ満喫ちう

ウサギリンゴとか!可愛いすぎやし! もう、たまらん!!

※ちなみにウチで風邪引いた時には、
おうどん+モモ缶が定番です…。
一人用の土鍋で鍋焼きうどん。

「それにしても…ビックリしたぞ?」
「ん? 何が?」

柔らかい口当たりのおかゆを、はふはふ言いながら
頬張りつつ。ビックリさせる心当たりなんて……、
………いっぱいありすぎるけど。

「部屋の惨状もそうだし…、
お前が倒れてる事にも驚いたし」

食べ切れへんかって腐りかけてた満漢全席が跡形も
無くなってる所を見ると…掃除もしてくれてたんやろう。


「せやけど、この部屋の惨状は
オレの所為だけと違うで?」
「ん。まあ…取りあえず勝手に掃除しちゃったけど…
大丈夫だよな?」
「助かります〜。もう、ほんま、恭ちゃんは
至れり尽くせりでええお嫁さんになれるなぁ」
「誰がお嫁さんだ、誰が。」

しょうもない冗談で、笑いあって…空気が和む。
それはここ数日でオレが欲しかったもの。

「な、デザートも食べるよな?
すりりんごとモモ缶どっちがいい?」
「両方食う!」
「はいはい。ちょっと待ってろよ。
…っていうか、何か急に元気になって来たな?」
「恭ちゃんから愛情たっぷり貰ろてるし。」
「…バカな事言う元気が出たなら、ひとまず安心かな。」

もっと元気やったらリンゴもウサギさんの形に
切ってくれてんのかな、と想像するとちょっと笑える。

「…………何、笑ってるんだ?」
「何でもないです〜」
「まあいいか。はい、両方」

目の前に差し出された皿の上には。
刷りりんごと綺麗に器に盛られたモモと、
やっぱりウサギリンゴが置いてあって。

たまらず、爆笑した。

■12/07>Lv.19
教えて…くれてたんか。そうか…そうなんや…。なんや…オレ、ほんまにアホやなあ…

別に嫉妬って訳じゃないぞ?

「なぁなぁ、恭ちゃん。聞いてええかな? ここんとこ
 ずっと連絡取れへんかったけど…。どうしてたん?」
「………いや、ちゃんと言ってっただろ?
 所長とちょっと…、厄介な仕事に行って来るから、
 暫く連絡取れなくなるけど心配するな、って。」
「し、知らんで!?」
「ちゃんと言ったってば。
 さては…お前聞いてなかったな?」
「えーと…それ、いつ…?」
「んー、仕事に行く前の…ホラ、
 お前携帯取りに来ただろ? あの時。」

………………………あ。 そういえば、
恭ちゃんの不機嫌な様子と昨夜の事が気にかかって…
何か言うてたんを生返事してた気がする…。

あの時か…! 

そんな重要な事聞き逃してたやなんて…。
ほんまにアホやなあ…オレ。

「まあ…あの時は俺の方も色々立て込んでたから。
……やっぱり素っ気無かったな。ごめんな?」
「いや、オレかて…色々あったし…。
オレの方こそゴメンやで?」

お互いに謝りあって、妙なわだかまりも消えていく。

「ホントにな。ヘンな遊びするのも良いけど…
体調まで崩してたらシャレにならないぞ?」
「ああっ!それは違うねんー! 
違わへんけど、違うねん!誤解やねんー!」

ざっと事情を説明して、
事実と違ってる所は何とか説明出来た…ハズ。
で、その後どうなったかもついでに話した。

■12/08>Lv.20
ちなみに、いちごミルク味です…<甘っ

偶には無防備な哲平ちゃんを。

「何というか…。俺も色々大変だったけど…、
お前も色々大変だったんだな…」
「恭ちゃんおらへんうちに、な。
ほんま、色々ありすぎやで…。」
「でもあの時さ。やっぱりヘンな感じで別れて…暫く
会えなくなったからさ。…ずっと、気になってたんだよ。」
「オレもな。ずっと連絡付かへんし…
心配しとったんやで?」
「それはちゃんと言ってったってば」
「ああ、そうやな。
スンマセン、聞いてへんかったオレが悪いです。」

言いながら、デザートの果物をペロリとたいらげる。

「食べ終わったら、薬も飲んどけよ」
「へ〜い」

差し出された水で流し込んだ薬の苦味が
口の中に広がる。

「にっが〜…」
「『良薬口に苦し』って言うだろ。ちょっと口開けろ、哲平」
「?」

あー、と開けた口の中に飴玉を放り込まれた。

「口直し。」
「子供か、オレは!」
「子供だろ。大人だったら倒れる前にもっと自制しとけ!」
「はい」

心配かけてすんません、女王様。

■12/09>Lv.21
しょんぼり探偵

爽やか哲平ちゃんですよ!悪笑もいいけど!<いいんかい

(※12/24 にやりな哲平ちゃんを
差し替えました。悪笑バージョン(笑)は
絵板ログ に収納です。)

「…ん…。でもあの時は本当に余裕無かったなって…、
後で冷静になってから反省してたんだ、実は。」
「え?」
「あの時さ。成美さんに呼ばれて朝まで
付き合わされたって言ってただろ?」
「ああ、そやな」
「哲平は呼んでも来ないし…って、まあうちに携帯あった
んで、いくら電話しても出られる訳無いんだけど。」
「恭ちゃんに呼ばれてたん知ってたら、
何を置いてもかけつけるで?」
「だろうな、お前ならそう言うと思った」
「あったり前やん!」
「でもな、俺…。そう思ってる自分に腹立ってたんだよ」
「…は?」
「普段、そう言ってくれるヤツがさ、いざという時に
呼んでも来ないって事で…理不尽に腹立ててさ。
お前にだって都合があるし…来てくれないって事は
来られない事情があるって事も解ってる筈なんだけど。
俺も勝手だよな。」
「恭ちゃん…」
「だから、お前に怒ってたっていうより…俺、自分に
腹立っててさ。やっぱ余裕無かった。ごめんな…?」

そんな風に…思ってたんか…。
自分に厳しい、腹の立て方。
お人好しのお前らしいかもしれんけど。

「あんな、恭ちゃん。腹立つー!とかそういう感情は…
無理に押さえ込む必要、無いと思うで?」
「ん…けど、」
「『けど』も『でも』もあらへん。人間やねんから、
色々間違ぅたり失敗したりするんが当たり前やん。」
「……。」
「な、そうやって色々ぶつかっていかな、
ほんまの人間関係って作れへんやろ?」
「それは…そうなんだけど。」
「それにな。喧嘩しても傷付けあっても、
たぶんオレらは大丈夫やし。」
「哲平…」
「違うか? そんなヤワな事で壊れる関係や無いよな?」
「『オレら、大親友やし』…か?」
「よぅ解ってるやん、名探偵」

ニヤリと笑う。

■12/15>Lv.22
何となく要るかなって気がしたから、買ってきただけなんだけど。

やっぱコレが無いと。さすが恭ちゃん。解ってんなぁ…。

「もっとこういう話はすぐに出来てたら、
お前を心配させる事も無かったのになぁ…」
「でも、「HELPME」なんてメールが来てるから
どっちにしても心配はするよ」
「せやかて…。
いくら電話しても恭ちゃん出てくれへんねもん」
「だから、し、仕事で…!
ちょっと電話も出来ない状況で…!」
「解ってるて。オレが勝手に心配しとっただけやけど。
連絡全然取れへんかったから
今どうしてるんやろ、ってずっと思ってた。」
「哲平…」
「まあ心配しすぎてな、
夜中に恭ちゃんから電話掛かってくる夢見てまう位、
恋焦がれてた・だ・け・☆ アホやろー? オレ」

冗談っぽく笑いながら、煙草に手を延ばしかけて…、

「あ、もう無かったんやな。しもた」
「煙草か? ……病人なんだから…って言っても
聞かないよな、お前は。ほら、…1本だけだぞ?」

…と、新しいセッタの箱を差し出してくれる。

「ん、おおきに。やっぱ恭ちゃんやなあ…」
「……? 何だよ、それは」
「恭ちゃんには敵わんなぁって言うてんの。」

不思議そうにしている恭ちゃんを眺めながら、
自然と頬が緩むのを自覚する。

……ほんまやで?
何でお前はいつもオレが欲しがる物を
そんなにあっさりくれるんやろな。

■12/23>最終話
都合の悪い話は流してほしいなー、と。

流せる訳ないだろう、そんなコト。

最後は満面の笑顔で。

禁止令発動!大人しく………してるかなあ?(笑)

恭ちゃんから貰ったセッタに火をつけて
ふうっと深く吸い込んで味わう。
この味も感覚も…何や久々な気ぃするわ…。

「……あのな、哲平。」
「ん?」
「さっき、電話の話してただろ?」
「ああ、あれ? いやごめん、忘れて。」

身体が弱なってるとココロまで弱くなるんやろか。
それとも、逆なんかな。
ココロが寂しいから、身体まで調子狂うんやろか。

どっちにしても弱音を吐く自分に、今更ながら
恥ずかしくなって来て、つい冗談にしてしまいたくなる。

「………えっと。」
「有り得へんやんなー、いくら何でもな?
我ながら熱にうなされて何の夢見てんねん!と…」

豪快に笑い飛ばして、流してしまえ。
そんな、弱い自分を。

「哲平、聞けよ。
……あのな。お前それ夢じゃないぞ…?」
「え?」
「本当は…全然ダメなんだけどさ。
時間も…その、真夜中だったし…。」
「…って、え?」
「寝てるかなって思ったけど…やっぱ心配で。
コールしてすぐにお前出たし…。」

あれ? 夢…や、無かった…?

「やっぱり電波状況悪くって…
ほとんどまともな会話も出来なかったけど。
『もう少しで帰れるから』って、それだけ言いたくて…」
「恭ちゃん…!」
「あっさり所長に見つかったけどな。」

ああ、 そやな。 それは聞いてた。
……でも、そうか。あれは現実やったんやな。

    ………………そっか……………。


「全く!あのオッサンはいつも美味しい所で
オレらのラブラブなんを邪魔して! …なあ?」
「だ、誰がラブラブだよっ!」
「えー、違うん〜?」
「違うっ! バカな事言ってないでもう寝ろ!!」
「オレもう元気やって〜!」
「な、訳ないだろ!
 完全に治るまで外出禁止だからな!」

頭はたかれて、無理矢理、布団をかぶせられた。
…ほんま面白いなあ、恭ちゃんは。

アホな会話して、笑いあって。
やっぱり、オレはこういう平和な日常がええ。

全く、この感覚は何なんやろうな。
大きく息を吸い込んで、目を閉じて。
オレの中の時間を…、一瞬だけ止める。
この満たされる感覚を逃がさへんように。

どうか、明日もこんな普通の日常でありますように。



                     【END】


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