■ 裏MGP・アナザーワールド1 ■
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■恭ちゃんナースさん
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「ナースさんや〜!癒して癒してーっ!」 「うわーっ!お前、『表』と全然違うじゃないかっ!」 「恭ちゃんが可愛ぇから めっちゃ元気になってるんやん〜!」 「元気な奴は治療も要らないだろ!」 「あ、オレ熱出てきたし、うん。 心臓もバクバクやし!! な?な!」 「…どう見ても元気なんだけど。」 |
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「あーん ゥ 」 「こら。何だ、『あーん』って。」 「ナースさんに食べさせて欲しいねんー!」 「…お前、それだけ元気なら自分で食べられるだろ…」 「え? せやかて、オレの両腕は 恭ちゃんを抱き寄せる為に塞がってるやん」 「だ、抱き寄せなくていいっ!」 |
「ごちそーさんでした〜!」 「お粗末様。」 「めっちゃ美味かったー! 恭ちゃんはほんま、ええお嫁さんになれるな〜」 「嫁って言うな! ………こら。いい加減、手離せ」 「えー?」 「もうお粥食べ終わっただろ!」 「恭ちゃんと居ると癒されんねんもん。 こうしてたら病気でも速攻で治るやん」 「な訳無いだろ…。いいから、離せ! これ片付けて来るから!」 「えー? そんなん後でもええやん〜」 「………片付けるって言ってるんだぞ?」 「はい!スンマセン!」 「じゃあ行ってくるから!大人しくしてるんだぞ?」 「へ〜い」 「はぁ…。好きに遊ばれるし、もう着替えとこ」 |
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「きょ・お・ちゃん♪」 「うわっ!!な、なんでココに居るんだっ!?」 「デザート食べんの忘れてたんやけど… 流石恭ちゃんやな。準備万全?」 「何がっ!?」 「半脱ぎ色っぽいなーって言うてんねん」 「色っぽくない!いいから出てけ! 着替えられないだろ!!」 「あ、大丈夫。ちゃんと脱がしたるし」 「脱がすなっ!」 「…着替えるん違うん?」 「着替えるけどっ!! こらっ!勝手に脱がすんじゃないッ!」 「お手伝いしてんねんやん〜」 「ちょっ…や、やめ…ッ!」 「んー?」 「や…っ!どこ触ってんだお前は!」 「恭ちゃんが可愛ぇ声出すトコ」 「……こ、この馬鹿…っ!!」 |
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「あ! そうそう!デザートだったな! ちょっと待ってろ、すぐ用意するから!!」 「美味しそうやねえ〜♪」 「………手、離せ。」 「ん?」 「デザート用意出来ないだろ!」 「うん、せやからな? 剥いてんねんやん」 「………は?」 「美味しそうやね〜♪」 「え…っと、何が?」 「恭ちゃんに決まってるやん」 「……何で俺……? っていうか、デザート食べるんじゃなかったのか?」 「食べるよ〜♪」 「………ん……っ…! ちょっと、て、哲平…!」 「何?」 「えーと…デザートって…まさか………俺?」 「今頃気付いたん? 可愛ぇなー、恭ちゃんは」 「だって、そんな…、ちょっと、…ぁっ…!」 「いただきます♪」 |
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■口直し
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「オレはこっちの方がええなあ…」 「…言うと思った」 |
「せやかて、飴玉なんかより… こっちの方が甘いやん?」 「バカ。………ん…っ」 |
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「ぁ……っ、ん… こら!」 「なにー?」 「どさくさに紛れて悪戯するんじゃないっ!」 「えー?」 「思いっきり不満そうな声出すなよ…」 |
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「薬飲んだら…もう大人しく寝とけよ?」 「ん…」 「…………こら」 「何?」 「手…っ、離せ…よ…」 「まだ、足りひん…。もっと…」 「……っ、んんっ…!」 先刻まで倒れてたとは思えない力強さで抱きしめて …離してくれそうにない… |
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「………ん、はぁ……っ」 「色っぽい…な、恭ちゃん……」 「哲平、お前…っ、いい加減に…や、止め…っ」 「どうしよ、オレまた熱上がってきた…」 「大人しくしてないからだろ、このバカっ!」 「やって…。恭ちゃんが可愛ぇねもん」 「俺は関係ないだろ」 |
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「オレは恭ちゃんがめっちゃ好きやから、 ドキドキして熱上がったなーて云うてんの!」 「…え? いや、あの…」 「真っ赤になってるし…。可愛ぇなあ」 「か、可愛くないっ!もう大人しく寝とけ!」 「まあええわ。また熱でブッ倒れたらお薬飲むし、 口直しもちゃんとしてな ゥ 」 「…それじゃエンドレスだろ」 |
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■見張り
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「じゃ、大人しくしてるんだぞ! 解ったな?」 もう一度念を押して…立ち上がろうとした時。 咄嗟に腕を掴まれた。 「……恭ちゃん、もう帰るん?」 そんな瞳で見るなよ…。 |
「…御飯も食べたし、薬も飲んだし、 後は寝るだけだろ…っ! べ、別に俺が居なくても…」 「え〜? めっちゃ寂しいやん! 仕事はもう終わった んやんな!? あ、恭ちゃん用事あるん!? 待っとって、すぐ着替えてオレも出るし!」 「こらぁっ! なんでそうなるんだっ! 外出禁止だって 言っただろ!? 病人は大人しく寝とけ!!」 「…やってー…。もうオレ元気やもん」 「そんなすぐに治るかっ!!」 「恭ちゃんがおってくれたらすぐ治るんやて!」 「そんな訳無いだろ…。 さっき薬飲んだばっかりじゃないか。 ちゃんと寝てないとまたぶり返すから、…な?」 まだ起き上がろうとする哲平をやんわりと抑えて、 布団に戻る様に促す。 |
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「あっ、そやな! そーいや、また熱出てきた様な 気がするわ! 大人しゅうするからもっと看病してー!」 「…お前、言ってる事メチャメチャだぞ…?」 駄々っ子の様に我侭を言ってみせた後、 ふいに 「せやかて…。ずっと…逢いたかったんやで…?」 トーンを低く落として囁く声に…思わず、心臓が跳ねる。 |
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「お前に逢えない間、ずっと寂しゅうて…。 お前のコト心配して、お前の事ばっかり考えて。」 簡単に捕まってしまって、 「やっと逢えた云うんに…なあ、恭介。 もう傍には居てくれへんのか…?オレに逢えへん間、 お前は全然寂し無かったんか…?」 「え…っ、そ、それ…は」 真っ直ぐ見つめる哲平の瞳に…射抜かれる |
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「俺…だって…。」 哲平の真剣な声音に 思わず、本音を吐かされる。 「ただ、俺が居たらゆっくり出来ないかなって…、 思ったんだ……けど…」 「阿呆やな。そんな気ィ回さんでええって…。 オレは…お前が傍に居てくれる方がずっとええし… 元気になれるねんから…」 「………ん。」 甘い言葉と優しく抱き寄せられる腕に身体を預けながら。 |
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「…今日は、別に用事とかある訳じゃない、けど……」 「ほな、傍に居て…オレの事ちゃんと見張っとってくれ」 「…解ったよ。ずっと居てやるから ちゃんと大人しくしとくんだぞ?」 「ぃよっしゃ! 『ずっと』やな! 完治するまで24時間 365日一緒に居て優しく看病してくれんねんな!」 「………え?」 「いやー、偶には風邪のひとつも引いてみるモンやな〜。あ、ちゃんと恭ちゃんにはうつさへん様、 気を付けるしな!」 「………え?」 「あ、でもキスしたら風邪てうつるんやったっけ? …まあええわ。恭ちゃんが倒れたら 今度はオレが看病したるし、な!」 「『まあいいか』じゃない! なっ…、なんでそうなるんだーっ!」 |