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■リベンジ・その1 |
そんなコト、言わんでも解ってるクセに…
あんまり可愛いと偶には苛めたくなる 何事も無い平和な一日の終わり 恭ちゃん家に帰って来てからも、二人して呑んでて いい加減、もうそろそろ眠なってきたなあと思った所に 突然、恭ちゃんがとんでもない事を言い出した 「ん?」 「お前、ズルイ」 「なんで?」 ああ…酔ってんなあ…恭ちゃん。 目が据わっとるで? 「なんでって…キス、巧いから。」 「そ? おおきに ♥ 」 思いがけない台詞に嬉しゅうなって…軽く口唇を重ねる。 「オレのキス…気持ちええん?」 「ん…」 なんや、今日は素直やなあ…恭ちゃん。 「俺も…巧くなりたい」 「…はい?」 「めろめろになるよーなの、したい」 |
■リベンジ・その2 >その頃の、めろめろ狼さん |
「め…めろめろ…?」 「ん」 …って、コイツはほんまにっ…! なあ、恭ちゃん。自分で意味解って言うとるか? 「めろめろになるよーなの」って…いつもそう思ってて くれとるんかなって思て…。 嬉しすぎるやんか…! あかん、オレとしたコトが、不意を衝かれた。 自然に頬が緩むのを抑えられへん。 「……? てっぺー、何で笑ってるんだ?」 「いや、恭ちゃんはほんまに可愛ぇなあと思て」 「なんでだ! 可愛いって言うなっ!」 ちょっと拗ねるその顔も可愛ぇんやて。 自分では気付いてへんやろうけど。 「恭ちゃん、キス…巧なりたいん?」 「ん、巧くなってめろめろにしてやる」 ちょっと嬉しそうに笑う。 そんな恭ちゃんが余りにも可愛いすぎて。 『そんなんせんでも…オレはもう既に めろめろやけどな?』っていう台詞は言わんでおいた。 |
■リベンジ・その3 >その頃の、めろめろ狼さん2 |
「えっと…。ほな、恭ちゃんがキス、してくれるん…?」 「……うーん……」 ドキドキしながらそう聞くと、ちょっと困ったように 眉根を寄せた。もしかして、「めろめろにしてやる」って 言っても、どうしてええか解らんの、かな…。 「なあ、恭ちゃん。何事も努力て必要やと思うねん。 野球でもサッカーでも練習して練習してだんだん 上手なっていくモンやん?」 「…そうか…。」 「キスも練習次第で巧なるかも、な?」 言いながら、自分の唇を2、3回 トントンと指で突付いて…誘いを掛けてみる。 間違えてくれるなよ? 練習でも本気でも。 お前がキスするのはここだけやで?と思いながら。 「ん。 じゃ…れんしゅう、する」 我ながら、あざといかなあと思わんでも無いねんけど。 恭ちゃん、素直やからなあ…。 |
■リベンジ・その4 >その頃の、めろめろ狼さん3 |
恭ちゃんがスッと立ち上がって…オレの前に立つ。 少しかがんで…オレの頬をそっと撫でて。 いつも端正な顔が…、 ちょっと真剣な面持ちになってて笑える。 真面目に「れんしゅう」するつもりなんやんな。 「てっぺー、笑うな」 「はいはい」 ちょっとぎこちなくて。 そっと…重ねるだけのキス。 深追いしたくなるのを、ガマンする。 「ど…うかな?」 「まだまだ、めろめろとは言えんなぁ?」 ニヤリと笑って。ちょっと、意地悪したくなる。 恭ちゃんは、少し…困ったような顔をして。 「むう」とか「うう」とか言いながら、 もう一度…ゆっくりと口唇を重ねてくる。 ほんまに可愛ぇなあ…。 |
■リベンジ・その5 >その頃の、めろめろ狼さん4 |
「今度はめろめろに……… えっと……なってない、な?」 「解ってるやん。まだまだ修行が足らんな、恭ちゃん」 綺麗な眉に皺寄せて…。 小声で「難しいなぁ…」とかブツブツ言いながら… もう一度、今度はもう少し深く口付ける。 「ん…っ」 柔らかい口唇から漏れる吐息が ゾクゾクする程…色っぽい……。 ほんまはな。 恭ちゃんからキスしてくれるのが嬉しゅうて。 オレの仕掛けたあざといやり方にも、 きっちり応えてくれるんが嬉しゅうて…。 ちょっと意地悪してるだけやねん。 …ごめんな。 |
■リベンジ・その6 |
「……ん…っ……」 何度も何度も重ねられる口唇に 「…はぁっ…」 躊躇いがちに動く舌を追いかけて 「ちょ…、ちょっと哲平…! ……あっ…ンっ!」 背中をぎゅっと抱きしめて 「や…っ、こら! 待てって、哲平!」 いつの間にかオレの方が押し倒してた。 「あれ?」 「…はぁっ…はぁっ…! な、なんで俺が押し倒されてるんだっ!?」 ちょっと潤んだ瞳を拭って、 必死で息を整えながら抗議して来る。 「うーん、不思議やね?」 「不思議やね、じゃないっ! これじゃ練習になんないだろ!」 …まだ練習してるつもりやったんか。 ほんまにこのコは…! |
■リベンジ・その7 >リベンジ16迄すっ飛ばす (8〜15は横道ルートですよ! 何か繋がり方おかしいから要らないよ!) |
「あのな恭ちゃん…、 練習はもうそれくらいにして貰ろてもええ?」 「え……っ、……あ…っと。ご、ごめん。」 そんなに思いがけない台詞やったんやろか。 恭ちゃんが急に慌てた様子で謝る。 もしかして、酔い…醒ましてしもうたかな?と思いつつ、 その顔は耳まで赤い。 「…ごめん、な。」 もう一回小さく呟いて…視線を逸らす。 そんなに眼も合わされへん程、 ……恥ずかしがらんでもええのに。 「いや、…オレは別に構へんねんけどな?」 視線と一緒に、そのまま顔まで背けて。 ころん、と横に躯ずらして起き上がろうとするのを…、 強引にオレの腕の中に引き戻す。 「哲平…?」 押し倒された体勢のまま、そんな表情して。 恭ちゃん、無防備すぎるって…。 平気なフリしてんのも、もう限界になるやんか…っ! |
■リベンジ・その8
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「恭ちゃん…。ほな、次は本番な?」 「……え…っ?」 潤んだ瞳が揺れる。 ほんのり色付いた頬が…また、更に朱を増していく。 「えっ…、ちょ、ちょっと」 「いっぱいキスして貰ろたから、次はオレが返す番な」 「……か、返さなくていい…っ!」 そんな焦った声出さんでもええのに。 可愛ぇなあ、もう。 「ええコトして貰ろたら、ちゃんと礼すんのが筋やろ?」 「そんな事しなくていい…からっ!」 あ。 また顔逸らしたな、コイツ。 「恭ちゃーん、こっち向いて〜」 「向かない」 「顔背けてたらキス出来へんやんか〜」 「出来なくていい」 「いけず言わんといてぇなー」 「嫌」 ふーん、へーえ、あっそう? |
■リベンジ・その9 |
「ほな、しゃーないなー」 「………ゃっ! こらぁっ!何するんだっ!」 可愛い耳朶に軽く口付けてやると 反射的に左側を向いてオレから逃げようとする。 …けど、 全く、解ってへんなぁ…。 そないして顔背けてたら、 今度はこっちの耳がめっちゃ無防備になるんですケド。 「…こっちにもキスして、って言うてんの?」 「な、何言って…! 違…あっ…!」 ビクッと体が震える。 反射的に顔を背けようとして…、 これじゃあまた同じコトになるって気付いたらしい。 「あ、耳はダメ。禁止!」 両手で隠された。 |
■リベンジ・その10 |
「ぅわっはっはっは、解った解った! もうせぇへん」 「…本当に?」 そんな大っきい瞳でじーって見詰められたら照れるやん 「ああ、ホンマやって。」 「絶対だな?」 「二言は無いです。」 …やっと安心したのか、 ぎゅっと隠していた耳から手を離す。 「可愛ぇなぁ、恭ちゃんはー。」 「…わ、笑うな!」 「せやけど、やっと…こっち向いてくれたな。」 「てっぺ…」 恥ずかしがって照れてんのも可愛ぇけど。 潤んだ瞳で見詰められるのもやっぱりええな。 ヤバイくらい、惹き込まれそうになる…。 |
■リベンジ・その11 |
「……ん…っ」 自然と重ねた口唇から、甘い吐息が漏れて。 「お前…、さっき『もうしない』って言わなかったか…?」 「ん?」 今度は角度を変えてもう一度。 「『絶対』とか『二言は無い』とか言ってた…よな…?」 「ああ、せぇへんよ」 頬にも軽くキス。 「で、今してるのは何だ?」 「好きやで、恭ちゃん」 柔らかい髪を撫でて。 「…じゃなくって!」 「せやから、してへんやん」 「どこが!?」 「耳『は』、したらあかんねやろ?」 「こ…!」 まだ文句を言おうとする口唇を強引に塞いだ。 |
■リベンジ・その12 |
「……や……、止めっ……」 「あのな、恭ちゃん。 こんなに可愛ぇ声出されて…止まる訳無いやろ…?」 首筋から鎖骨にかけて舌を這わしていくと 「…ふぁ……、あ……っっ!」 すぐに、敏感に…反応してくれる。 「か、可愛くないし…っ! ん…っ、こ、声も出して無いっ!」 「へーえ? ほんまに?」 言いながら、つ…と背中に指を這わして行くと 「………んんっ!」 やっぱり…、感じてくれてるやんか。 |
■リベンジ・その13 |
「めっちゃ可愛ぇで、声?」 「違うって言ってる…だろっ…!」 こんな状況で、そういうコト言ってると 余計にオレを煽る事になるんやて。 ……解ってへんねやろなあ…、全然。 「ほな、恭ちゃんが声出さへんかったらオレの負け。 今度はホンマに何もせぇへんし、すぐ止めるな。」 「え…? あ、うん」 ちょっと涙目で呆っとしながら…、素直に頷く。 「で、可愛ぇ声出してしもたら恭ちゃんの負けな。」 「………? …え? うん…。」 判断力が落ちてるんは…。 まだ残ってる酒と、羞恥心と、 あと…何度も重ねられたキスの余韻の所為かな。 |
■リベンジ・その14 |
「よっしゃ、話は決まった! 可愛ぇ声出して貰う迄、頑張るな!」 「……って、あれ? え? ちょっと…」 「期待して、えーよ♥」 「ま、待て! 哲平! それやっぱり可笑しいぞ!?」 「何が?」 「だって、どっちにしてもお前の思うが侭じゃないかっ!」 「せやかて…、 恭ちゃん可愛ぇ声なんて出さへんねやろ?」 「だ、出さないっ!」 「ほなええやん。ずっと我慢してた分、頑張るなー♥」 「ちょ…っ、待てって! こら、哲平…っ!」 「もう待たれへん」 「や…っあ、ダメだって…言っ……」 「イ・ヤ・♪」 「………あ…! やっ、止め…、てっぺ……!!」 無理やて。 どんだけオレがめろめろにされてると思てんねん。 |
■リベンジ・その15
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暗・転・!!(笑) |
■リベンジ・その16
>やっぱり横道ルートも見てみよっかなー (リベンジ8に戻る) |
「……なあ、恭ちゃん。 キスなんか巧なって誰に試すつもりなん?」 「…え? 誰? 誰…って…」 言いながら、恭ちゃんの頬がみるみる紅なっとる。 解り易いなあ…。 「オレの他に誰かとキスするつもりなん?」 あー、また意地悪言うてるな、オレ。 「そ、そんな事…っ!」 必死になって慌ててる恭ちゃんが可愛ぇ。 「オレは練習台で、そいつは本命なんやんな? 傷付くな〜、妬けるな〜、可哀想やな〜オレ。」 「ちっ、違ッ…」 オレ以外の奴に、なんて。 ほんまは…考えるだけでも妬けるけど。 |
■リベンジ・その17 |
妙に慌ててる恭ちゃんが可愛くて。 大げさに溜め息のひとつも吐いてみせる。 「あ〜あ…。 恭ちゃんはキス巧なってめろめろにさせるんやんなー。 ええなー、羨ましいなー、そいつ。」 「ちょっ…! だ、だから違…」 「練習でも何でも… オレは恭ちゃんしかキスしとぉないのにー」 わざと言葉遮って。 冗談っぽく聞こえるように、本音も混ぜて。 「聞けよ!違うって言ってるだろ! 俺だってお前だけだってば!」 「……え?」 「あ」 思わず言うてしもた、って感じの自分の台詞に。 照れて真っ赤になりながら…でも、目は逸らさない。 |
■ラスト・リベンジ
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「恭ちゃん、もっかい言うて。今…何て…?」 「………ッ! 俺だって… キス、したいのは…お前だけだってば…!」 『聞こえてる癖に』 そう言いたげな顔で。 でも真っ赤になって…だんだん小声になりながらも、 ちゃんと答えてくれる。 「だって。いつも…俺ばっかり…だから。」 「えっ…な、何が…?」 「お前のキスで酔わされるの。」 「恭ちゃ…」 「俺だって偶にはな…、お前のコト酔わして めろめろにしてやりたいんだよ! 悪かったな!」 意地悪しすぎたかな、って思うけど。 でもやっぱりこんなコト言うてくれるんが… 嬉しすぎるんやけど。敵わへんわ、もう。 「すんません、ウソ言うてました。 ……オレはもう既にめろめろです、女王様」 「バカ」 まだ照れて真っ赤になってる オレの女王様を抱きしめて。 耳元で本音を囁いて…そっとキスをした。 【END】
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…めろめろしてくれた?
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【あとがき】
…という訳で、『酔いどれ女王様の逆襲』編でした。
途中で表のMGPやってたりしたんで、結構長く描いてたよーな
気がします。…あと、途中で横道ルート作ったしなあ(笑)
予定では全10回くらいのつもりだったんですが。
(まあ、恭ちゃんと哲平ちゃんが何か幸せそうなのでいっか…?)
年末押し迫ってる時に何描いてんだ(笑)と思いつつ。
こちらも長い間お付き合戴きましてどうも有難うございました♪
(2005.12.30UP←ホントに押し迫ってる(笑))